チュムリアップ・スオ。こんにちは!
本日はかぼちゃについてお話させてください。どうして急にかぼちゃの話をするのかとお思いでしょうが、カンボジアと関係がある話なのです。もしかしてこれだけでピンときた方もいるでしょうか(笑)。
かぼちゃはご存じですよね。しかし、かぼちゃの語源は知らないのではないでしょうか。
漢字で書くと「南瓜」。これを「かぼちゃ」と知らない人が読んだら、「みなみうり」と読んでしまうのではないでしょうか。普段使いとはちょっとちがいますよね。
諸説ありますが、「かぼちゃ」という読み方は元からあった日本語ではなく、ポルトガル語が元だと言われています。
日本における、かぼちゃの歴史は16世紀頃にポルトガル船によって持ち込まれたのが始まりだと言われています。そのとき一緒にポルトガルの言葉も伝わったようです。
しかし、ポルトガル語でかぼちゃを意味する言葉は「abóbora」(アボボラ*)と言います。これがなぜ日本で「かぼちゃ」になってしまったのでしょうか。
実は日本に持ち込まれたかぼちゃは、カンボジア経由で入ってきたものだと言われています。そのためポルトガル人が「Camboja」(カンボージャ)と言ってしまったらしく、それを日本の人が「この野菜は『カンボージャ』というのか」と勘違いしてしまったようです。そのまま日本中に広まり、「カンボージャ」という言葉が訛(なま)って「かぼちゃ」となって今日に至ると言われています。
つまり日本の「かぼちゃ」の語源は「カンボジア」のことなのです。日本とカンボジア、意外なところで接点がありますね。
カンボジアではかぼちゃのことを「lpow」(ラパウ)と呼びます。日本では、おもに野菜として使われていますが、カンボジア料理ではデザートとしてよく食べられます。
当店でも「カボチャプリン(ラパウ・ソンクチャー)」、「タピオカとカボチャのデザート」などをご提供しています。また、ご予約いただければ、シェフのレスマイがかぼちゃを丸まる一個デザインする「カボチャプリンホール」もご用意いたします。機会があれば、ぜひご賞味ください。
*熊本県などの西日本では、かぼちゃのことを「ぼうぶら」と言ったりすることもあるようです。どちらかと言えばこちらの方がポルトガル語としては正解に近いと思います。ほかにも、かぼちゃは「唐茄子(とうなす)」「南京(なんきん)」などとも呼ばれています。