チュムリアップ・スオ。こんにちは!
本日はカンボジアと他の東南アジアの国々の料理を独断と偏見で比べてみようと思います。
と、言うのも、カンボジア料理の知名度が日本の中ではあまり高くないのは、いわゆる「エスニック料理」やアジアンダイニングの中に一括りにされてイメージしにくくなっているのではないかと思ったからです。
「アジア」や「エスニック料理」の定義も色々ありますし、一国の料理を一概に括ってしまうのもどうかとは思いますが、ここはひとつ東南アジア各国の紹介もかねてということでご容赦ください。
・「すごく辛い、すごく酸っぱい、すごく甘い」のタイ料理
タイ料理と言えば、「トムヤムクン」が日本で一番有名かと思われます。辛味、酸味、甘味がよく溶けたスープで、「世界三大(四大?)スープ」にも数えられています。タイではこういった辛味、酸味、甘味を混ぜ合わせた味付けが好まれ、タイ料理全般に辛みが含まれることが多いようです。
またパクチーを使うことで有名ですが、パクチーばかり使うのではなく、様々な種類の香草を使用します。
・サンバルソースの人気急上昇中。インドネシア料理
インドネシアという国は主だった支配民族のいない多民族国家で、様々な民族の料理が存在します。、バリ料理、ジャワ料理、スンダ料理、マカッサル料理、マナド料理、パダン料理、バタク料理などです。また、国民の多くがイスラム教徒なので、戒律により食べられない食材が存在します。
そんな中で人気なのが、「サンバル」というチリソースです。最近有名になった「ナシゴレン」にもよく使用されます。この「サンバル」と「ナシゴレン」ですが、マレーシアでも食べられています。
・イスラムの国もやっぱり辛いものが好き。マレーシア料理
マレーシア料理は、マレー系の人々が人口の六割を占めており、また彼らはイスラム教徒が多く、戒律で食べ物に制限があります。その他に中国系、インド系、その他の少数民族が住んでいて、様々な民族料理がありますが、やはり辛めの味付けが好きなようです。
・東南アジアで最もやさしい味付け?カンボジア料理
カンボジア料理で味付けによく使われるのが「プラホック」という伝統的な調味料です。魚介をすりつぶしてペースト状にし、塩漬けにしたもので、独特の香りがありますが、色々なものに使える調味料です。日本でいうお味噌を想像していただけるとその立ち位置が分かりやすいかと思います。
また、プラホックをつくる際の副産物として「トゥック・トレイ」というものがあります。これは魚由来の液体調味料、いわゆる魚醤油(ぎょしょうゆ)、塩魚汁(しょっつる)で、ベトナムの「ニョクマム」やタイの「ナンプラー」とも似ています。東南アジア全体でこういった魚醬はよく使われるようで、カンボジアでも味付けによく使われます。
この「プラホック」と「トゥック・トレイ」がカンボジアの味付けで大きなウェイトを占めます。その他にもココナッツミルクやタマリンド、八角(はっかく)、レモングラスといった香辛料も使ったりします。ここでは香辛料としていますが、これらに辛味はほとんどありません。
バイヨンの紹介ページにも書いてある通り、カンボジア料理はそんなに辛くはありません。もちろん辛い食材、辛い料理もありますし、辛みも感じ方があるので、一概には言えません。ですが、お隣タイ料理や香辛料生産国のインドネシア料理と比べると、カンボジア料理の味わいはずっとマイルドです。